remember June 12 2018

2018年6月12日

この日を私は忘れない。

そうその日はとても暑い日で、私は体調が悪かった。そんな中、普段は開かないポケモンGOを何の気なしに開いたのだ。

 


右下に映る影。まごう事なきあの姿だった。

 


ただその影はかなり遠くをさしており、体調が悪い上に、シャンプーを買ってしまったのだ。間が悪すぎる。諦めよう。そう思ったのだが、何度も何度もその影をクリックしてしまう。そうこうしてるうちに、帰りのバスがきて、諦めて乗った。

 


バスが予定時刻になり走り出す。今日は体調悪いから。重い荷物もってるから。自分を納得させようとする。今日じゃない。またチャンスはあるはずだ。そんなことを思いながらこのもやもやを晴らすためにツイッターを開く。

 


運命があの人と私を切り裂くの...

 


本当にそうなのだろうか?決められた運命を生きるのか?

今までそうやって何回自分に言い訳をして諦めてきた?何回自分をごまかして生きてきた?

運命は自分で決めるものだろう?

 


そんなことを思ったり思わなかったりして、降りるボタンを押したのだった。

 


自分の気持ちをごまかすのはやめた。

私は大好きな彼の元へ走った。

体調が悪いのも、重い荷物を持っているのも忘れてただがむしゃらに。

 


そうしてたどり着いたのは知らない商店街だった。その商店街の酒場の前にいたのだ、カビゴンが。

 


いた。

思わず声が出る。

 


ツーショットを撮るのが私の夢だった。周りには誰もおらず、震える手を抑えて、自分の手とカビゴンのツーショットを撮った。

カビゴンが現実世界にいる。そんな事実に震えるほどの喜びと感動が浮かんでくる。

ポケモンGOが配信されて初めてプレイした時の以上の高揚感。

大好きな彼が目の前にいるのだ。本当だったらありえないはずだ、キャラクターである彼がこの世界に存在するとこは。だが、今目の前に彼はいる。

 


ボールを確認する。十分にある。大丈夫だ。

 


手が震えるので、失敗した時用に近くのポケストップも確認しておく。

 


一投目は当たったものの、捕まらず。

続いて二投目、三投目。

 


お願いだから捕まってくれと神に挑む。

 


そんな時、アプリがフリーズ。

一気に体温が下がる。冷や汗が止まらない。

 


どうか、いてくれ。そんな思いでアプリを立ち上げ直す。立ち上がる時間が異様に長く感じてもどかしい。焦るように何度も画面をタップしてようやく立ち上げ直す。

 


いた。よかった、ほっと胸を撫で下ろす。

 


そしてボール投げを再開する。

 


お願いだから捕まってくれ、何度思った時だろうか。ついにその時はきた。

 


カビゴンが私の手持ちにいる。その事実だけでこんなに幸せな気持ちになれるとは。

 

 

 

この日を私は忘れない。大好きなカビゴンにこの世界で会えるなんて思ってもみなかった。幸せな日だった。その日の私は間違いなく世界一の幸せ者だった。